湿潤療法

徒然日記

左腕の大火傷

5年ほど前に、自宅のキッチンで左腕に火傷を負った。
火は一瞬で高く燃え上がったので、顔も少し火傷したし、髪の毛も焼け焦げた。

火はすぐに消えたけど、ふきんに火が燃え移ってそれが床に落ちていたので、それを消すのに思わず右手でバンバン叩いて消したので右手も火傷した(後で火傷に氣付いた(^-^;)

急いでシャワーで頭や顔を冷やしていると、ホラー映画のようにボタボタっと黒いものが浴槽に落ちてきて、一瞬凍り付く、、、しかも頭を手で撫でるたびに落ちてくる、、それが何か分かるまでに数秒。。。。

ぎゃ~~~~~~~~~~~なにこれ、どうなってるのわたしの髪~~~~~~(><)

恐る恐る髪の毛を触ってみてると、ちゃんと髪の毛はあるみたいだ。。。鏡をそ~~~っと見ると取り合えず、普通にあるように見える。
表面の方だけ焼け落ちたようだった。。。あぁ、、怖かった、、、、(あとであほ毛みたいに短い毛がびょんびょん立ってた。。)

顔の方はよく見ると、左の方の眉毛とまつげが焼けて短くなってた。。。皮膚の方は眉毛近くのおでこがちょっと火傷してる感じ。

重症なのは腕の方。
最初に、パッと見た感じでは、少し赤くなっているだけで大丈夫そうだなと思い流水で冷やしていたけど痛みはだんだん強くなってくる。

これはマズイと思い、洗面器に氷水を作って腕を浸したりアイスノンで冷やし始めたけど、逆に冷たすぎて火傷以外の皮膚が痛くて、水から出すと火傷のヒリヒリ感が痛くて『どないせ~ちゅーねん!』状態。。。

この時、土曜日の午前中だったのでこれは病院行ったほうがいいなと思い、近くの総合病院へ念のため電話して状況を説明。診察順はどうなるか分からないと言われたけど、分かりました、ってことで自転車こいで急いで病院へ行くと、皮膚科は結構混んでいたんだけど、少しの待ち時間で診察してくれた。痛みが激しかったのでこの配慮は有難かったです。(一応、火傷の箇所には包帯を巻いて小さいアイスノンをポケットに忍ばせて、待っている間はそれで冷やしてたと思う)

 

違和感診察

この時、水ぶくれがどんどん出来上がってきている状態だった。先生も「明日、明後日にはもっとひどくなるね」と言って、とりあえず、薬塗って包帯ぐるぐる巻いて、その上からネット包帯を被せられて、月曜日にもう一度来てください、ってことで診察終わり。
結構、緊急扱いで診察してもらったけどそんなもん???^^;

家に帰ってすぐ包帯を取ってまた冷やし始めたけど、やっぱり痛みはひどくなる一方だった。
日曜日はどうやって過ごしたのか覚えてない、、、(;^_^A
月曜日の朝、起きて腕の状況を見ると、水ぶくれがつぶれて膿んできている状態で、今までとは違う痛みが出てきた。。

水ぶくれがつぶれた皮膚の皮って取っていいんだっけ???膿んでたら水で洗い流したほうがいいよね??と思ったけど、よく分からなかったからそのままにして病院へ行った。

火傷は、左腕だけじゃなくて右手の甲とか指などにもあり、水ぶくれが潰れて痛かったのでガーゼやバンソーコーを貼っていたら、

「こういうのはあまりしないほうがいいですよ」と言われた。。
「え??何も貼らない方が良いんですか??」
「・・・・・」

え???回答は???つか、痛いじゃん???ケガしたらガーゼや包帯やバンドエイド貼って傷を保護するじゃん???火傷はやっちゃダメって何????

「このつぶれた水ぶくれの皮は取ったほうがいいんですかね?」と聞くと
「あんまり取らないほうがいいですよ」と言って、

包帯を取った後、水ぶくれが潰れてぶよぶよになった皮膚の上から薬をちょっとだけ塗り、そのままガーゼのっけて包帯を巻いて終わり、、という診察を目の当たりにした時、私の中で違和感炸裂!!

そんな、死んだ皮の上に薬塗ってどーーーすんの????

火傷はひじから手の甲に掛けての上側全体に広がっているのよ。なのにそこだけ????

しかも、水ぶくれがつぶれて薄い皮膚がむき出しになっているところへ乾いたガーゼをかぶせて包帯巻かれたらあ~た、

傷口が乾燥してきて痛いでしょうが!つか、痛いんですよ!!!

なにこれ、ヤバス! 結構若い先生だけど火傷の治療とか知らないのかしら???これが普通なの??他に病院探したほうがいいかも!と、ここで固く決意!!

そして出社(あ、午前休とりました)。
この時の上司は、私の左腕のぐるぐる巻きの包帯と顔の火傷を隠すように、縁眼鏡をかけた私をみて一瞬悩んだような表情を見せたあと、何も聞かなかったし、何も言わなかった。^^;
別に聞かれても困りませんよ???まぁいいけど、、
なので私も何も言わなかった。

しかし、出社したはいいけど、傷の痛みが激しくて仕事どころじゃない。
今思えば休暇取れば良かったのよ。仕事も忙しくないのになぜに出社したのかしら、、、なんかあったかな??てことで、仕事もそこそこに火傷の治療についてネットサーフィンしまくってたら出てきたのが「湿潤療法」。

 

湿潤療法

その時最初にたどり着いたのが多分このサイトだったと思う。

なつい式湿潤療法 湿潤療法について(夏井先生のブログ)

夏井先生の病院のサイト

サイト内をいろいろ見ていたら、湿潤療法をやっている医師の一覧があり、確認するとなんと会社の帰り道の駅の近くにあるではないですか!早速予約を入れて退社後病院へ直行!

そこは、いわゆる町医者と呼ばれる日本ではたくさんある個人経営している皮膚科。

この時、腕の状況はますます悪化しており膿もなんだか広がってきていた。 イタイ・・・

先生は、見るなり「水ぶくれが潰れてめくれた皮はキレイに取ってください」と言って、ピンセットでキレイに全部はがしてくれて、そのあとは、看護婦さんがやってくれたかな、、少し傷を洗い流して、軽く薬を付け、全体を覆うように、ハイドロコロイドのテープを貼り付けていった。
右手の甲や指にも。

もうそれだけで、さっきまでの痛みはどこへやら。

傷口は全部カバーされてるから、乾いたガーゼや乾燥から守られて痛くも痒くもない。
すごい!!(><) ぶっちゃけ火傷していることを忘れるほどです。

基本的にテープは丸1日貼りっぱなしでOKで、入浴中はテープを張ったままにしておき体や頭を洗って、上がる直前にテープにシャワーあてながらはがす。そうすると痛みもなくキレイに剥がれていくのでストレスも無かった。

で、剥がれたら傷口をキレイに洗って、キレイに拭いて、少しだけ薬を塗って、その上からハイドロコロイドのテープを貼っていく。
傷口に直貼りするのってちょっと勇気いるけど、思い切って貼っていく。だってそのほうが痛くない。

そうやって、私の火傷の治療は湿潤療法にしてから全くストレスなく、そしてキレイに完治した。

夏場は暑いと蒸れてくることもあって、汗疹だったりかぶれが出てくることもあるみたいだから氣を付けないといけないみたい。私の時は秋口で涼しくなりかけていたので大丈夫だったけど、火傷が治るまでには一ヵ月ぐらいかかって、3週間目ぐらいになるとさすがにちょっとテープでかぶれて痒くなってくる所もあった。傷はほぼ治りかけだったのでハイドロコロイドのテープじゃなくて「プラスモイストDC」というのをたまに使ってました。これも上のサイトで紹介していたと思う。

お陰様で、火傷の跡なんて一切残ってないけど、治りかけで油断したのかそばかすのようなシミがちょっと残った。でも、皮膚はつるつるです。
あのまま水ぶくれがやぶれた皮を剥がさずに、乗せたままにしていたらその皮膚がくっついて皮膚がデコボコした感じで治ったのかもしれない。

色々調べてみると、湿潤療法をしているのはほとんど個人経営している病院で、総合病院や大学病院なんかではやってないらしいということ。

どうして湿潤療法を大きな病院では教えてくれないのかな(大人の事情??)

やっぱり知らないって怖い。大きい病院だから大丈夫だろうと思っていたら大間違いで、でかい病院ほど治療法が刷新されていないパターンもあるってこと認識できて良かった。

あ、そういえば、湿潤治療での唯一の悩み???
それは、ハイドロコロイドのテープが高いってこと。
薬局でも、ネットの方が安いですよ、、、と言ってくるほど、薬局では大量に買えなかったなぁ、、^^;
毎日4,5枚使って、毎日貼りかえるとなると結構な枚数が必要だからね。

ちなみに、私は2,3日分を薬局で買い、あとはamazonで見つけたこのテープを使っていました。

リーダーハイドロ救急パッド 30枚

今回、包丁で指をぶっ刺して(切ったんじゃないのよ、ぶっ刺さったの)、久しぶりにハイドロコロイドの治療をしていて昔の火傷のことを思い出したので書いてみました。

患者の痛みやつらさを少しでも緩和できるこの湿潤療法がもっと世間に浸透しますように。

ちなみに、傷口に異物が入っていたり雑菌があるような状態では湿潤療法はやらないほうがいいそうです。

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